ナレッジベース
概要
案件を横断して蓄積するナレッジ・Tips 集です。特定のプロジェクトに紐づかない汎用的な知見をここに記録します。
収録 Tips
ゲーム収録
エフォート系音声の効率的な収録順序
- 状況: ゲーム案件では掛け声・ブレス・被弾音等のエフォート系音声が大量にある
- 学び: セリフ系 → エフォート系の順で収録すると、声優の喉の消耗を考慮した効率的なスケジューリングが可能。エフォート系は体力を使うため、セッション後半に回す
- 推奨対応: 台本構成の段階で収録順序を検討し、進行表に反映する
長期運営タイトルの音声トーン一貫性
- 状況: 鳴潮、Undawn 等の運営タイトルで、数年にわたって同一キャラクターの追加収録が継続
- 学び: 追加収録時に前回の音声を参照しないと、テンションや距離感にブレが出る
- 推奨対応: プロジェクトフォルダの「過去音声」フォルダに前回納品分を保管し、収録時にリファレンスとして再生可能にしておく
長期運営タイトルの進行管理(通常案件との違い)
- 状況: 鳴潮・東方 LostWord・黒猫のウィズ等、継続的にアップデートが続く運営タイトルの PM 担当時
- 学び(進行の特徴):
- 五月雨式で収録・納品が進む。通常案件のように「収録完了 → 編集 → 納品」と一方向に流れるのではなく、収録中に別キャラの納品が走る、並行進行が基本
- 常に「収録」「編集」「QC」「納品」が同時に走っている状態になるため、案件管理シートのステータス管理が特に重要
- 学び(再収録について):
- 通常案件よりも再収録の調整はしやすい(継続的な関係のため、事務所・クライアントとのパイプが確立している)
- ただし、再収録はしないことが大前提。初回収録で完結させる意識を持つ
- 推奨対応:
- 案件管理シートで声優・収録日・納品日を細かく更新し、進行状況を常に把握する
- 収録・納品のサイクルを把握したうえで、台本・スタジオ・エンジニアの手配を前倒しで行う
コードネーム案件の情報管理
- 状況: 海外パブリッシャー案件では「Project J」「G86」等のコードネームで進行することが多い
- 学び: コードネームと正式タイトルの対応表がないと、後から案件を探せなくなる
- 推奨対応: クライアント別ルールにコードネーム↔正式名の対応を記録する
ナレーション収録
多言語ガイダンス収録の事前チェック
- 状況: バスガイダンス、施設案内等の多言語ナレーション案件
- 学び: 各言語でテキスト量が大きく異なるため、尺指定がある場合は事前にリハーサルが必要
- 推奨対応: 日本語・英語・中国語・韓国語の順で尺が変わりやすいことを念頭に、クライアントと尺の許容範囲を事前確認
ローカライズ収録
中国語原語からの日本語VO収録の注意点
- 状況: 当事業部の海外案件の大半は中国パブリッシャーからの日本語VO収録
- 学び: 中国語台本の翻訳品質にばらつきがある。不自然な日本語のまま収録すると手戻りが大きい
- 推奨対応: アダプテーション工程を必ず経る。翻訳に疑義がある場合は原語台本のニュアンスをクライアントに確認してから収録に入る
固有名詞の読み方確認
- 状況: 中国語・韓国語由来のキャラクター名・地名の読みが台本に記載されていないことがある
- 学び: 収録直前に読みの確認をすると声優の待ち時間が発生する
- 推奨対応: 台本受領後、アダプテーション時に全固有名詞の読み方リストを作成し、クライアントに確認を取る
編集 Tips
収録原音の保存形式
- 状況: 収録は 32-bit float / 48kHz で行い、納品は 16-bit / 48kHz が標準
- 学び: 32-bit float 原音があれば後からリマスタリングが可能。16-bit に変換した後では情報が失われる
- 推奨対応: 原音(32-bit float)は必ずプロジェクトフォルダの「未編集データ」に保管。編集済みと原音を分けて管理する
リネーム作業の自動化
- 状況: 納品ファイルのリネームは手作業ではミスが発生しやすい
- 学び: NAS の共用データにある「Excel リストでファイル名変更」ツールを使うとヒューマンエラーを大幅に削減可能
- 推奨対応:
共用データ/【インストーラー系】/Excelリストでファイル名変更/のツールを活用する
クライアント対応 Tips
海外クライアントのコミュニケーションツール
- 状況: 海外パブリッシャーは Slack / メール / WeChat / 専用プラットフォーム等、多様なツールを使用
- 学び: クライアントごとに主要な連絡手段を事前に確認しておかないと、重要な連絡を見落とす
- 推奨対応: 案件開始時にクライアントの希望するコミュニケーションツールを確認し、クライアント別ルールに記録する
インタビュー収録の監修フロー
- 状況: ゲームタイトルのPR用にキャスト(声優)のインタビュー撮影・音声収録を受託するケースがある
- 学び: インタビュー原稿は事務所・クライアント双方の監修が必要で、通常のゲーム収録より承認フローが長い
- 推奨対応: インタビュー案件はスケジュールに余裕を持たせ、監修ステップを明確に共有しておく
ツール Tips
Pro Tools
セッションバックアップの運用
- 状況: 収録中の Pro Tools セッションが破損するリスク
- 学び: Pro Tools の自動バックアップ(Session File Backups フォルダ)に加え、セッション終了時に NAS の
10_Storage/PTセッション/にコピーを取る - 推奨対応: 長時間セッションでは途中でも手動バックアップを取る
Source Connect
リモート立会い時のレイテンシー対策
- 状況: 海外クライアントがリモートで立ち会う際、Source Connect の遅延が問題になることがある
- 学び: Audio Movers(Listento)は Source Connect より低遅延で、ブラウザベースのためクライアント側のセットアップが不要
- 推奨対応: クライアントの環境に応じて Source Connect / Audio Movers を使い分ける
RX
Mouth De-click の過度な使用に注意
- 状況: リップノイズ除去のために Mouth De-click を強くかけすぎる
- 学び: パラメータを上げすぎると、摩擦音(サ行等)の音質も劣化する
- 推奨対応: まずはデフォルト設定で処理し、効果が不足する箇所のみ個別に強めに処理する
ナレッジの追加方法
新しいナレッジを追加する際は、適切なカテゴリの下に以下のフォーマットで記載してください:
#### [タイトル](追加日: YYYY-MM-DD)
- **状況:**
- **学び:**
- **推奨対応:**
更新履歴
| 日付 | 変更内容 | 担当者 |
|---|---|---|
| 2026-03-15 | 長期運営タイトルの進行管理(五月雨式・並行進行・再収録)を追加(幕田PMヒアリング) | — |
| 2026-03-05 | NAS実態調査に基づき初期ナレッジを記入 | — |