iZotope RX
概要
iZotope RX はオーディオリペア・ノイズ除去に特化したツールであり、スタジオボイス事業部の全スタジオに RX Advanced が導入されている。推奨バージョンは RX10 Standard 以上で、ver6 以降であれば本ガイドの手順を適用可能。ボイス編集作業の大部分は選択ツール2種と基本処理モジュールでカバーできる。
特徴・仕様
初期設定(推奨)
- Color Map: Multicolor1(音の強さをカラーコード順で表示し、ノイズ箇所の視認性を向上)
- CacheSize: 200MB(MAX値、動作安定化のため)
- Selection Feathering: 10ms(選択境界に内側クロスフェードを自動付与。0 にするとクリップノイズが発生するため必ず設定)
選択ツール(2種のみ使用)
| ツール |
ショートカット |
用途 |
| 時間選択ツール |
T |
時間軸方向の範囲選択 |
| 時間-周波数選択ツール |
R |
時間 x 周波数の矩形範囲選択(ノイズのピンポイント選択) |
主要モジュールと処理順序
| 順序 |
モジュール |
対象ノイズ |
ショートカット |
| 1 |
De-Click |
インパルスノイズ(中低域) |
― |
| 2 |
Mouth De-Click |
リップノイズ(中高域) |
― |
| 3 |
Spectral Repair: Replace |
破裂系ノイズの残り |
S |
| 4 |
Spectral Repair: Attenuate |
横に伸びた連続系ノイズ |
A |
| 5 |
Silence |
不要音の無音化 |
Shift+S |
その他のモジュール
- Voice De-noise: 定常ノイズ(空調等)の除去。強くかけすぎると音質劣化するため注意
- De-plosive: 破裂音(パ行・バ行)のポップノイズ除去
- Phase: 位相回転による波形均一化。ヘッドマージン確保に有効
- Fade: Fade In/Out のカーブ設定。デフォルトの Log カーブを使用
- Loudness Control: ラウドネス値の監視・調整。納品フォーマットに音量指定がある案件で使用
- Batch Processor (Cmd+B): 大量ファイルの形式変換・一括処理。案件・クライアントごとのプリセット管理を推奨
プラグイン(LoudMax)
RX にはリミッター単体が標準装備されていないため、フリーの LoudMax(Apple Silicon 対応)を使用する。推奨設定は Threshold -1.0 / Output 0.1。
主要ショートカット
| ショートカット |
機能 |
| Cmd+S |
上書き保存(Overwrite Original File) |
| A |
Spectral Repair: Attenuate |
| S |
Spectral Repair: Replace |
| T |
時間選択ツール |
| R |
時間-周波数選択ツール |
| Shift+S |
Silence(無音化) |
| Cmd+G |
クリップゲインライン表示/非表示 |
| Cmd+E |
ファイル書き出し |
| Cmd+B |
Batch Processor |
関連情報
- 全スタジオに RX Advanced が導入されている(→ 収録スタジオ一覧)
- 収録は Pro Tools で行い、ノイズ処理を RX で行うのが標準ワークフロー(→ Pro Tools)
- Mouth De-Click はファイル全体に一括でかけない(音質劣化の原因)
- ノイズ処理の基本方針は「除去」ではなく「低減」。原音の自然さ維持が最優先
- 参考動画(Google Drive の
RX音声処理参考/)に実践的な処理例が格納されている