見積作成手順
概要
クライアントからの依頼内容に基づき、見積書を作成する手順を定めます。
前提条件
- クライアントから案件内容のヒアリングが完了していること
- 収録規模(セリフ数、キャスト数、収録日数)が概算できていること
手順
1. 案件情報の整理
- クライアント名、プロジェクト名を確認
- 案件種別(ゲーム/ナレーション/CM 等)を特定
- 収録言語(日本語/英語/その他)を確認
2. 見積項目の洗い出し
- 収録費(スタジオ費、エンジニア費)
- キャスト費(声優ギャラ)
- 編集費
- ディレクション費
- その他費用(交通費、特殊機材等)
3. 単価・数量の算出
- 料金表・単価一覧 を参照
- クライアント別の特別単価がある場合は クライアント別ルール を確認
算出ロジックの基本(中川PMヒアリング)
見積の基本参照元は 音響制作価格表(正本: Google Drive)。 費目によって「収録時間ベース」と「ワード数ベース」の2軸を使い分ける。
① 収録時間ベースで算出する費目
| 費目 | 計算方法 |
|---|---|
| スタジオ費 | 想定収録時間 × 時間単価 |
| エンジニア費 | 想定収録時間 × 時間単価 |
| 音声編集費(場合による) | 想定収録時間ベースで出すことがある |
② ワード数ベースで算出する費目
| 費目 | 計算方法 |
|---|---|
| 音声編集費(場合による) | ワード数 × 単価 |
| 台本制作費 | ワード数 × 単価 |
| リネーム費 | ワード数 × 単価 |
※ 音声編集費は時間基準・ワード基準のどちらを使うかは案件によって異なる。分岐条件は要確認・明文化待ち。
③ 収録時間の出し方
- ワード数から想定収録時間を算出し、各費目に適用する
- ワード数 → 収録時間の換算ルールは別途確認(未文書化)
国内ゲーム案件 vs ローカライズ案件の違い
⚠️ ローカライズ案件を国内ゲーム案件と同じロジックで見積るとズレが生じる
| 案件種別 | 特徴 | 推奨算出基準 |
|---|---|---|
| 国内ゲーム案件 | ワード数と収録時間が比較的比例しやすい | 収録時間ベースで概ね問題ない |
| ローカライズ案件 | 尺合わせ・口合わせが発生するため、同ワード数でも収録時間が長くなりやすい | ワード数基準で計算することがある |
ローカライズ案件で収録時間が伸びる主な要因: - 尺合わせ(映像の長さに合わせて演技を調整する作業) - 口合わせ(口の動き・リップシンクに合わせる作業)
ナレーション案件の見積ロジック
出典: 山科ヒアリング(2026-03-16)
ナレーション案件ではゲーム案件と異なり、ワード数では見積もらない。完全に時間ベースで見積もる。
ナレーター費の決まり方:
| 変動要因 | 内容 |
|---|---|
| 利用範囲 | 利用範囲が広いほどナレーターギャラが上がる |
| 広告利用の有無 | 広告ありの場合はギャラが変わる |
| 競合有無(広告の場合) | 競合ありはさらに料金が高くなる |
見積の組み立て方: 1. 利用条件(範囲・広告有無)に応じたナレーターギャラを確定する 2. そのギャラに対して一定割合の利益を乗せる
ON-AIR権利・使用期間・使用媒体の価格変動:見積ツールで標準化
以前は ON-AIR権利や使用条件による価格変動が案件ごとに判断がぶれやすい領域だったが、 現在は見積ツールを作成し、通常の広告利用条件に関する価格変動はツールで吸収している。
基本運用: 通常案件は見積ツールを使って見積もる ⚠️ 未確認: 見積ツールの場所・変数一覧・正本管理者
例外:サウンドロゴ
サウンドロゴは件数・経験ともに少ない特殊領域のため、現時点では定価感が出せていない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 広告用途として扱う(使用期間・使用場所が価格に影響) |
| ナレーター相場 | ナレーター側での相場感のばらつきが大きい(3万円〜50万円以上の幅) |
| 現状 | 見積ツールでは対応しきれず、個別判断 |
⚠️ 未確認: サウンドロゴ見積時の相談先・特殊案件の承認フロー
⚠️ その他未確認: 利益率の具体値、最小時間単位、MA料金・静音料金の乗せ方
ナレーション見積で判断に迷うケース
出典: 山科ヒアリング(2026-03-16)
ナレーション案件の見積では、ゲーム案件と異なり「前提条件の置き方」自体に判断が必要な局面がある。 価格とトラブルリスクの両方に直結するため、以下のケースは特に注意が必要。
① 収録時間を何時間で見積もるか
収録時間はナレーション案件の見積軸。この設定が金額に直結する。
| 方向 | メリット | リスク |
|---|---|---|
| 多めに見積もる(安全側) | 現場で押しても追加請求が不要 | 「2時間で見積ったのに1時間で終わったら差額は返るのか」とクライアントに言われる場合がある |
| 少なめに見積もる(攻め側) | クライアントへの価格説明がしやすい | 現場が押した場合に追加請求が必要になるリスクがある |
⚠️ 未確認: 収録時間の最終判断基準、安全係数の運用ルール、早く終わった場合の差額扱い、エンジニアへの相談タイミング
② 広告費・利用期間が未確定な時の判断
利用期間が決まっていないと、無期限扱いに近くなり価格が上がる。
| 状況 | 価格への影響 | 留意点 |
|---|---|---|
| 利用期間が短め設定 | 初期費用が抑えやすい | ナレーターによっては利用期間超過を後から厳密に確認してくる場合がある |
| 利用期間が未確定 | 無期限扱いに近くなり価格が上がる | クライアントは安くしたいが、ナレーターは使用条件の厳密運用を求める、という板挟みになりやすい |
⚠️ 未確認: 利用期間未定時の社内標準処理ルール、無期限で見積る条件、使用延長発覚時の追加請求フロー、クライアントへのリスク共有の範囲
③ 3つ目の判断迷いポイント(未取得)
⚠️ 次回ヒアリングで確認: 山科さんが挙げたトップ3のうち3つ目は今回未取得
未確認・要確認事項
- ワード数 → 収録時間の具体的な換算ルール(未文書化)
- 音声編集費を時間基準にする場合とワード基準にする場合の分岐条件
- 台本制作費・リネーム費の具体的単価
- ローカライズ案件における標準見積ルールの文書化状況
- クライアント別に見積ロジックの例外があるか
- 「尺合わせ」「口合わせ」の工数をどこまで見積に含めるか
4. 見積書の作成
- 見積書テンプレート を使用
- 社内承認を取得
5. クライアントへの送付
- メール対応手順 に従い送付
注意事項
- 見積有効期限は原則30日
- 大型案件は部門長の承認が必要
関連ドキュメント
更新履歴
| 日付 | 変更内容 | 担当者 |
|---|---|---|
| 2026-03-04 | 初版作成 | — |
| 2026-03-16 | 算出ロジック詳細・国内vsローカライズの違いを追記(中川PMヒアリング) | — |
| 2026-03-16 | ナレーション案件の見積ロジックを追記(山科ヒアリング 第11回) | — |
| 2026-03-16 | ON-AIR権利・見積ツール・サウンドロゴ例外を追記(山科ヒアリング 第12回) | — |
| 2026-03-16 | 見積判断に迷うケース(収録時間・利用期間未定)を追記(山科ヒアリング 第13回) | — |